FXは24時間市場が開いていて取引ができますが、時間帯によりマーケットの特徴があります。どの時間帯、通貨ペアが活発に取引が行われているかを実際に1年間動かし続けてきたEA(MT4のFX自動売買)のトレード実績から分析してみたいと思います。
INDEX
実験に使用したMT4のEAは?
まずは初めに、実験に使用したEAの特徴は以下の通り紹介します。
- Ku-ChartをカスタマイズしてRSI(相対力指数)表示化したチャートを用いた独自EAです。
- 時間軸は15分足を使用しています。
- EAの実行期間(実験期間)は、2017/11/1〜2018/10/31の1年間です。
- エントリースタイルは逆張りです。その為、利確決済と損切りも一定値を基準にスパッと実施する、短期トレード(スキャルピング)です。
- エントリー判断として、強い通貨と弱い通貨を探し、買われ過ぎ、売られ過ぎからの反転を狙ってエントリーしています。よって、特定の通貨に固定するのではなく、市場全体から最適な通貨ペアを探します。その為、統計結果から様々な通貨ペアを広範囲に分析が可能です。
スキャルピングとは?
実験結果の前にスキャルピングについて説明します。スキャルピングとは、「頭(スカル)の皮を薄く剥ぐ」という意味で、数秒〜数分間の短い時間軸で薄い利益を確実に積み重ねていく取引手法のことです。
トレード時間が短いので利益幅も小さくなりますが、勝率が高くなるのでレバレッジを上げやすく、エントリーチャンスが一日に頻発することから資金効率を最大化することが期待できます。うまく取引ができれば短期間に資金を大きく増やすことができます。一方、利益に対するスプレッドおよびスリップページの占める割合が大きくなる為、集中力、瞬発力、迅速な判断力が必要となります。
その為、スキャルピングはシステムトレードで行うのが効率的です。
時間帯別トレード実績

時間帯別のトレード実績を見てみると、明らかな傾向が見えてきます。FXは週末を除く24時間取引が可能となっていますが、時間帯別にボラティリティーに特徴があります。
最もトレード回数が多い時間帯はやはりロンドン市場からニューヨーク市場にかけての時間帯でした。一日を通してこの時間帯はボラティリティー高くなる傾向がある為、必然的にEAもその値動きに反応を示してトレードが行われています。中でもロンドン・ニューヨーク市場のオープン後しばらくの間が最も高くなる傾向にあります。続いて東京市場のオープン後という順番ですが、ロンドンやニューヨークの時間帯に比べると半分弱ぐらいです。
通貨ペア別トレード実績

通貨ペア毎の実績を見てみると、これもかなり傾向が明確に分かれています。私たち日本人にはUSDJPYが最も馴染みがあり、トレードするには分かりやすい為、通貨ペアとして人気がありますが、EAでトレードされた回数は圧倒的に少ない結果でした。これは他の通貨ペアに比べ、USDJPYは値動きが小さくボラティリティーが高くなかったことを意味しています。裏を返せば非常に安定した通貨ペアと言えます。
ただ、これはスキャルピングのトレード観点でみると、効果的なトレード機会が少ないと言えるので、トレード向きではありません。
同じクロス円の通貨ペアであれば、EURJPYやAUDJPY、CADJPYのトレード回数が多い結果でした。
まとめ
スキャルピングには集中力、瞬発力、判断力が要求される取引のため、24時間チャートに張り付いてトレードをするのは現実的ではありません。
市場にはボラティリティーが高く値動きが活発になる時間帯の傾向がある為、ロンドンやニューヨーク市場の時間帯を狙うことで短い時間で効果的なトレードが可能となります。
また、取引する通貨ペアも一つに限定するより、時には広い視野で他の通貨ペアも見てみることでスキャルピングに向いたトレード機会を見つけることができます。その中で得意とする通貨ペアを数種類見つけ、時間帯を絞ってトレードをしていくとより効率的なトレードができます。
MT4のEAなど、システムトレードでスキャルピングを実施する場合は、24時間これらの処理をサーバーに任せることができるのでほったらかしにしておき、たまにスマートフォンで結果をチェックする程度となります。
最終的には「勝ち」という結果がついてこないと意味がありませんが、ほったらかしトレードの制度を高める為、更なる研究をしていきたいと思います。
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