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株と為替の違い(絶対評価と相対評価)
株は個別銘柄の絶対評価であるのに対し、為替は通貨ペアの相対評価といわれています。
個別銘柄の株価はその企業の業績が伸びそうであれば買われて上昇し、失望しそうであれば売られて下落します。
この値動きは商品市場や不動産でも同様で、物の需要が増えれば価格は上昇し、減れば価格は下落します。
このようにほとんど資産は、その物(企業や商品など)自体が評価対象となる資産のひとつとして存在しているので、絶対評価となります。
一方、為替は通貨ペア(USDJPY/EURUSD/EURJPYなど)として取引が行われ、円(JPY)やドル(USD)の単体での取引ではありません。
つまりこの通貨ペアそれぞれの評価価値によって、値段が上下します。その為、為替は相対評価となります。
株も為替も取引をしている人は、証券会社のチャートや注文画面を見ていると、為替の通貨ペアも一つの商品のようにそれ単体で価格が表示され、注文できるようになっている為、株と同様に一つの個別銘柄と思えてしまいます。
そうすると、この通貨ペアの値動きの裏で何が起きているのかを見失ってしまいます。もう一度念押ししますが、「為替の値動きは相対評価である」と言う事を意識して、チャートを見る必要があります。
相対評価の例(ドル円)
ドル円の値動きを例として、考えてみると、ドル円が上昇する場合の理由は次の3つになります。
- ドルが買われている > 円が買われている (ドルの方が円より買われている)
- ドルが売られている < 円が売られている (円の方がドルより売られている)
- ドルが買われている、円が売られている
当然ですが、この中でドル円が最も上昇するのは❸です。
❶❷の場合は、カッコ内に記載した通り、ドルの方が買われていたり、円の方が売られている場合は、ドル円としては上昇しますが、それぞれが同じぐらいであれば、ドル円としての価格は動きにくく、これが続くといわゆるレンジ相場となります。
このように「ドル円」という通貨ペアを「ドル」と「円」に分解して、個別に評価した上で、二つの通貨の力関係を相対的に考える事が為替では必要となります。
通貨の力関係を理解する
通貨の力関係に変化を及ぼす要因は、各国の経済活動や経済状況に起因する事が考えられる為、各国が発表する指標をチェックするなど、ファンダメンタルズの視点を持つと、国と国、通貨と通貨の力関係の変化を察知する事ができます。
ファンダメンタル分析は、景気動向、金融政策、財政政策など世の中のさまざまな情報を分析する専門的な知識が必要となります。ですが、通貨の力関係を簡単にチャート上に表示する事が出来るツールも色々あります。Ku-Chartはその一つで非常に便利な為、私も使用しています。
通貨の力関係を把握していると動きやすい通貨ペアの判断がしやすく、効率的なトレードができるようになります。
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